相続登記を放置するとどうなる?

相続登記は以前は義務ではなかったため、手続きをせず放置する方も多かったように思います。

しかし、令和6年4月1日より相続登記の義務化がスタートし、過料というペナルティが課せられることになり、相続登記の手続きをする方、検討する方が明確に増加しました。

また日本は現在超高齢化社会を迎えている現状から、今後も相続登記手続きの増加傾向は変わらないと考えられます。

相続登記をすることのメリットは多々あります。

それは裏を返せば、相続登記を放置するリスクは何かを知れば理解いただけるかと思います。

具体的に相続登記放置リスクは以下のものが考えられます。

1. 過料(罰金)に処せられる

相続登記義務化により、自分が相続人として所有権を取得したことを知った日から3年以内に手続きしなかった場合、過料(罰金)に処せられます。

罰金の金額は、一説には10万円程度と言われています(真偽は不明ですが)。

2. 相続登記に必要な書類が取得できなくなる

相続登記の必要書類の中には、法律で保存期限が定められているものがあります。例えば除籍謄本は除籍後150年経つと廃棄されます。

早めに不動産の名義変更をしておかないと、別途様々な証明書が必要になり、かえって費用と手間がかかってしまいます。

当事務所にご相談にこられる方の中にも、相続登記を放置していた結果、必要書類の保存期間が経過してしまい、本来必要とされる書類を集めることができずに時間と手間がかかってしまうという方がいらっしゃいます。

3. 相続人が増えてしまい、権利関係が複雑になる

これは結構深刻なリスクです。

相続による不動産の名義変更を放置している間に、本来相続するはずだった方が亡くなると、さらにその相続人の配偶者や子供へ相続権が移っていき(代替わり)、それを繰り返していくと相続人が何十人もいるというケースがあります。

たとえば、妻と子が1人いる夫が亡くなったとします。

妻としては、今まで夫と住んでいた自宅を相続し、そのまま住み続けたいと考えていたのですが、名義変更をせずに放置している間に子が亡くなったとします。

この子に配偶者がいた場合、子の自宅の相続権を長男のお嫁さんがもつことになります。

この嫁と遺産分割協議がスムーズにいけばいいのですが、お嫁さんとの関係がよくない場合、お金を要求されたり、話し合いに応じてくれない場合もあります。

そうなると相続登記もできず、不動産を自由に処分することもできなくなってしまいます。

4. 相続人が高齢になると、遺産分割協議が行いにくくなる

相続人のうちのどなたかが高齢になり認知症等で判断能力が低下すると、家庭裁判所に申し立てて、認知症になった相続人の代わりに代理人(成年後見人)を選任してもらう必要があります。

成年後見人を選任するには、数十万の費用と数カ月の期間がかかります。

また、一度成年後見人を選任すると、認知症になった方の不動産や預貯金などの財産を動かすたびに家庭裁判所の許可や報告が必要になります。

そのため、不動産を処分しようと考えてもスムーズに処分できなくなる場合もあります。

5. 不動産の一部が他人に差し押さえられてしまう可能性がある

遺産分割協議を行っていないと、相続人は法律上の相続分(法定相続分)の割合で相続しているものとみなされます。

そのため、他の相続人が勝手に法定相続分どおりの割合で相続登記を行うことも可能です。

また、相続人の一人の債権者などが勝手に不動産の相続登記を代位で行い、その相続人の持分だけを差し押さえることも認められています。

6. 第三者に対抗できなくなる

遺産分割協議が成立し、不動産をAが単独で取得したにもかかわらず、相続登記を放置していたために、Aと仲の悪い相続人Bがこれを奇貨として法定相続分で登記し、Bの持分(仮に1/2)を全く関係のないCに売却してしまった場合、不動産のB持分1/2はCのものになり、Aが遺産分割協議でBは相続していないことを主張してもCには対抗できなくなります。

これは相続登記に絡む不動産トラブルの典型例です。

また、平成30年の相続法改正(民法第899条の2が新設)により、相続させる旨の遺言書をもってしても、相続登記を先にしなければ、Cのような第三者には対抗できなくなり、相続登記を早期にするべき最大の理由です。

7. 不動産を売却したり担保に入れたりできなくなる

相続登記ができないと不動産は売却やお金の借入等で不動産を担保に提供することできません。

いざ急なお金が必要になった時に現金化できないという不都合が生じます。

つまり、不動産を自由に処分することができなくなります。

まとめ

相続登記を放置すると、相続義務化違反による罰則のみならず、いざ不動産を利用したり処分したいときに複雑な手続きをしないとできなくなってしまう、不動産の名義を取られてしまう不動産リスクに発展する危険性もあります。

当事務所では安心して相続人が登記名義を取得するために、相続手続きについて下記4つのサービスを提供しています。

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