「親の物忘れが進み、預金の手続きができなくなった」「施設に入る費用のために実家を売りたいが、本人が契約できない」。こうしたご相談は年々増えています。判断能力が低下した方の財産と暮らしを法律面で支えるのが成年後見制度です。府中市で開業して20年以上になる当事務所が、制度の選び方から家庭裁判所への申立て、後見人への就任までサポートします。
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成年後見制度は2種類あります
法定後見:すでに判断能力が低下している方のための制度
家庭裁判所が、ご本人を支援する人(成年後見人・保佐人・補助人)を選ぶ制度です。判断能力の程度に応じて「後見」「保佐」「補助」の3つの類型があり、支援する人ができることの範囲が変わります。申立ては、ご本人の住所地を管轄する家庭裁判所に行います。府中市にお住まいの方の場合は東京家庭裁判所立川支部です。
後見人には親族が選ばれることもありますが、財産の状況などによっては家庭裁判所が司法書士などの専門職を選ぶこともあります。候補者を申立書に書くことはできますが、最終的に誰を選ぶかは家庭裁判所が決めます。
任意後見:元気なうちに将来に備える制度
判断能力があるうちに、「将来判断能力が低下したら、この人にこのことをお願いする」と自分で決めて契約しておく制度です。契約は公正証書で結びます。実際に判断能力が低下したときに、家庭裁判所が任意後見監督人を選ぶことで効力が生じます。信頼できる人を自分で選べること、お願いする内容を自分で決められることが大きな特長です。
こんなときは成年後見のご相談を
- 認知症の親の預金を、介護費用や施設費用に充てたいが、銀行で手続きができない
- 親名義の自宅を売却して、施設の入居費用にしたい
- 相続人の中に認知症の方がいて、遺産分割協議ができない
- 一人暮らしの親族が、訪問販売などで不要な契約をしてしまう
- 子どもがいない・頼れる親族が近くにいないので、将来に備えておきたい
- 障害のあるお子さまの将来を、親亡き後も含めて考えておきたい
法定後見の申立ての流れ
- ご相談:ご本人の状況、財産、困っていることを伺い、後見・保佐・補助のどれにあたりそうか、家族信託など他の方法がよいかを含めて整理します
- 診断書の取得:家庭裁判所が定める書式の診断書を、主治医に作成していただきます
- 必要書類の収集・申立書の作成:戸籍、住民票、登記されていないことの証明書、財産目録、収支予定表などをそろえ、申立書を作成します
- 家庭裁判所への申立て・面接:申立て後、家庭裁判所で申立人や後見人候補者の面接が行われます。必要に応じてご本人の判断能力の鑑定が行われることもあります
- 審判・後見の開始:家庭裁判所が後見開始の審判をし、後見人が選ばれます。その後、後見人が財産目録を作成して家庭裁判所に提出します
申立てから審判までの期間は事案によって異なりますが、書類の準備に時間がかかることが多いため、必要になりそうだと感じた段階でお早めにご相談ください。
成年後見制度を利用する前に知っておきたいこと
- 原則として途中でやめられない:ご本人の判断能力が回復しない限り、後見はご本人が亡くなるまで続きます。「自宅を売ったら終わり」にはなりません
- 財産は「ご本人のため」にしか使えない:家族のための贈与や、相続税対策のための財産の組み替えは原則としてできなくなります
- 家庭裁判所への報告が必要:後見人は、定期的に財産の状況を家庭裁判所に報告します
- 専門職が後見人になると報酬がかかる:報酬額は家庭裁判所が決め、ご本人の財産から支払われます
こうした点から、ご本人がまだ元気なうちであれば、家族信託や任意後見を組み合わせた方が、ご家族の希望に合う場合も少なくありません。当事務所では、どれか一つの制度をおすすめするのではなく、ご家族の状況に合わせて比較したうえでご提案します。なお、成年後見制度は見直しが進められています。最新の動きは成年後見制度が変わる|2026年成立の改正法のポイントで解説しています。
当事務所でお受けできること
- 成年後見・保佐・補助開始の申立書の作成と必要書類の収集
- 任意後見契約書の文案作成と公証役場との調整
- 後見人・任意後見人への就任
- 見守り契約・財産管理契約・死後事務委任契約など、任意後見と組み合わせる契約の作成
- 相続人に判断能力が不安な方がいる場合の、後見申立てから遺産分割・相続登記までの一貫したサポート
費用はご本人の状況や財産の内容によって変わるため、無料相談のうえでお見積りをお出しします。
よくあるご質問
Q. 家族が後見人になることはできますか?
A. 申立書に親族を候補者として記載することができます。ただし、誰を後見人に選ぶかは家庭裁判所が判断します。財産が多い場合や親族間で意見が分かれている場合などは、専門職が選ばれたり、後見監督人が付けられたりすることがあります。
Q. 任意後見契約は、どのタイミングで結べばよいですか?
A. 契約の内容を理解できる判断能力があるうちに結ぶ必要があります。「まだ早い」と思えるうちに準備しておくことをおすすめします。遺言書の作成と一緒にご相談いただくこともできます。
Q. 親が認知症と診断されました。もう家族信託はできませんか?
A. 診断を受けたからといって、直ちに契約ができなくなるわけではありません。契約の内容を理解して意思を示せるかどうかが判断の分かれ目です。状況によって結論が変わりますので、まずはご相談ください。

